空き家は儲かります……ただし……
ここ数年、空き家問題がニュースなどに取り上げられることが多くなりました。最近はコロナ関連の話題が多く取りあげられてしまい影を潜めた感もありますが、地方に行けば、あちらこちらに「空き家」を見かけることができます。
一方、だれも住まなくなった空き家を投資物件として取り扱う業者もよく見かけるようになりました。ですので、お客さんから「空き家物件って儲かりますか?」と質問をされることも珍しくありません。
ウチの会社は基本マンション案件のみの取り扱いのため、あまり詳しいことはお客さんには伝えませんが、「儲かる物件が買えれば儲かりますよ」といつも答えています。
では、一体どういった物件が「儲かる物件」なのでしょうか?
例えば、駅から徒歩5分圏内で、築浅かつリフォームなども最小限で済むような空き家が市場よりも安い価格物件があった場合、はたしてそれは「儲かる物件」と言えると思いますか?
私の答えは「NO」です。
条件が良いため確かに儲かるかもしれませんが、あくまでも可能性の話しであり、まだ「儲かる物件」にはなっていません。「儲かる物件」になるにはあと一つ足らないのです。そう、「入居付けしやすいか(入居者がいるのか)?」というとても重要な要素が足りていないのです。
「儲かる物件」の条件とは?
空き家に限らず、区分所有のマンションの一室だろうが、一軒家だろうが、アパート一棟だろうが、「入居者」の確保ができなければ、その他の条件がいくら優れていようが全く利益はでません。不動産投資は入居者もしくは利用者が居てはじめて売上がでます。そのため空室では利益はあげられません。
にもかかわらず、「回転率の高いワンルームマンションは儲かる」「いや、アパート一棟買いした方がリスクヘッジができて良い」「空き家なら安く手に入れられて利益率が大きい」などと話をする人のなんと多いこと。
違う章でもお話しをしていますが、「儲かる良い物件」を見つけるためには、自分に合った物件を想定して信頼できる業者を見つけて想定した物件を探してもらうことです。そして、予算や希望の入居者を明確にし、それに合った物件を探します。
そして一番大切なことは「あなたが描いている入居者はどんな人か?」ということをよく考えるです。
性別や年齢、職業、家族構成や趣味嗜好、生活スタイルなど、「入居者」を想定しなければ、いくら条件の良い物件であっても、それはあなたにとっての良い物件であり入居者にとっての良い物件ではないのです。
誰のための物件か?
正直なところ、空き家需要は一定数あります。なので、その「住みたい」「利用したい」という人に情報が届けば、空室にならずにすむ可能性は高くなります。
とは言え現実はどうでしょうか、例えばある空き家が長い間放置されていたとします。ではなぜその物件は空き家のまま放置されていたのでしょうか?空き家は儲かり、だれもが住みたいと思えるような物件であれば、他の誰かがすでにその物件を手に入れているはずです。にもかかわらず放置されている空き家があるのはなぜなのでしょうか?
勘違いしてはいけないのは「空き家ならなんでも儲かる」と誤信してしまうことです。
重要なのは、空き家を求めている人の要件を満たしているかどうか?です。空き家に住みたい(利用したい)!と思っている人には、住みたい(利用したい)理由が必ずあります。にもかかわらず、それらを全く考えずに「空き家は儲かるから」と自分勝手な考えで購入したいと思ったからでは、住む人のことを全く考えていないと言わざるをえません。
不動産投資にとって「空室」とはあってはならないこと。なんとしてでも回避したいリスクです。そして、「空室」にしないためには、ここに住みたい(利用したい)と思ってもらわなければなりません。空き家を求めている人ってどんな人だと思いますか?
「空き家投資は儲かる」という言葉に惑わされることなく、「空き家とはいったい誰のための物件なのか?」ということを先ずは真剣に考えてみてください。
まとめ
・空き家投資が必ず儲かるわけではなく入居付けしやすいかしやすいかどうか?
・空室をなくすためには「入居者」のための物件を探すことが大切
・物件のスペックも重要だが「どんな人が住むのか?」を考えることも重要である