金融機関からの融資について

不動産投資初心者、未経験者は必ず読んで欲しい大切なこと
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本当に融資は可能なのか?

投資不動産の購入にあたっては金融機関からの融資が大前提となることは別の章で既にお話をしておりますが、多くの人がやはり一番に心配されるようで、「私でも審査は通るでしょうか?」という質問は必ずされます。

基本的に融資の審査は個人の属性に大きく影響します。つまり、安定した収入が見込めるか?過去に事故などは起こしていないか?債務超過していないか?など債務者に返済能力があるかということが問われるわけです。

一方で、不動産投資に関する融資は不動産が担保とできるため、会社員であれば「給与という安定収入」と「不動産担保」という二つの武器を手にしているといえるでしょう。ただし、これは過去(5年から10年前の期間)に事故(過度な延滞や自己破産等)がないことが前提となりますので、もし10年以内に事故をおこしている場合は融資は非常に難しいといえます。

また、投資物件が複数所有になると「債務超過」と判断されてしまう場合もあります。ですが、言い換えれば特別なことがない限り初心者の場合であれば融資の可能性は高いと考えられるのです。

それでも通らない融資審査

とは言え、審査が通らなかった話は私もよく耳にします。金融機関を幾つも回り、やっと審査通ったという話は決してめずらしくありません。その原因は色々と考えられるのですが、原因の一つとして「融資担当者がその気にならなかった」というものがあります。

多くの場合は機械審査、つまり数字的な判断で融資の可否が判断されるのですが、それと並行して銀行員はヒアリングして意見を聞く場が設けられます。この面談の場で「問題なく払えます」という結論に至らないと、融資不可という判断が下されてしまうのです。逆に言えば、機械審査がダメでも面談の場で「払える」ということの証明が出来れば融資が可能になるわけです。

では、どのようにして返済可能なのかを証明するのか?という話になりますが、これはもう「返済計画書」を作成して行員の方に説明するのが一番だと私は考えています。よく「絶対に返済します」「大丈夫です。私を信じてください」「裏切りません」と気持ちだけを一方的に伝えようとする方を見受けますが、行員の立場からすれば「その根拠は何ですか?」ということになってしまいます。

口だけなら何とでも言えますから、銀行側的にはやはり現実的な「数字」がみたいわけです。ですので、「返済計画書」という具体的な数字を提出して相手に納得してもらうというわけです。

返済計画書を作成しよう

しかし、「返済計画書」なんて書いたことないから面倒…と思われ方もいらっしゃることでしょう。でもちょっと待ってください。意外と「返済計画書」を作成するとは重要なことなのです。例えば、実際の数字を書き出すことによって、もし今後の給与が落ちてしまった場合や、空室が続き家賃収入が一時的にとまってしまった場合などのシミュレーションをすることができるからです。

投資物件の購入の場合、数十万の借金ではなく、数百万、いやそれ以上の融資を受けるわけですから、さすがに「無計画」ではないでしょうが、それでも実際の数字をエクセルなどで書き出してみて、複数パターンのシミュレーションをすることで事前に対応策も考えられますし、最悪の場合「撤退」という判断をどの段階で考える?ということが具体的に見えてきます。

これは、銀行側にとっても、自分自身にとっても重要な判断基準になります。

特に投資物件の購入のための融資の場合は「購入物件自体の評価」も考慮されます。例えば、稼働率はどのくらいか?家賃相場は妥当か?地域的な問題等がないか?なども審査基準に入ります。

これらを冷静に判断するためには「具体的な数字を書き出す」ことにより第三者的な立場で見ることが重要になるのです。最初に投資物件を購入する場合、期待と不安で冷静になれない場合がほとんどです。特に、期待が膨らみすぎて舞い上がってしまい楽観的な判断ができなくなってしまうと最悪な状況に対応できなくなり強制退場を余儀なくされる場合も少なくありません。

そういった最悪の場面を避ける意味でも「返済計画書」は必ず作成してください。後々になって必ず「作成してよかった」と思えるはずです。

まとめ

・融資は会社員であるかぎり基本審査を通る可能性が高い(事故や債務超過などの場合は除く)。
・とはいえ、審査が通らない場合も多々あるのでその場合は対応策を考える必要がある。
・銀行とのとの面談には「返済計画書」を持参し、銀行側に納得してもらえるように努める。