「終活問題」親としての責任を最後までやり遂げると誓った母の行動(兵庫県在住Mさん女性67歳の場合)

リースバック活用事例
この記事は約3分で読めます。

仕事人間だった女性社長

仕事人間だった私が母親として最後に出来ることを……

Mさん(67歳女性)は複数の会社を経営するやり手女性社長として地元兵庫県では有名な人である。40代の頃に病気で夫を亡くし、夫が経営していた小さな卸問屋を引き継ぐこととなった。Mさんには2人の娘さんがいたが、当時はまだ中学生と小学生であったため、子どもたちを育てながらの会社経営は毎日が戦争の様だったとMさんは語る。

元来Mさんは仕事一筋の性格であったという。仕事のの規模を少しづつ大きくしていったMさん。その一方で子どもたちとの時間が取りずらくなったきてしまったためMさんの実家もそう離れていないことから母親に子どもたちの面倒をみてもらうことも多くなっていった。

ひとり親だからという理由で娘たちに我慢を強いることだけはしたくなかったと話すMさん。せめて経済面だけでも他の家に引けを取らないようにしたいという思いが原動力となりMさんを突き動かしていた。その結果、仕事を引き継ぎだ頃よりも更に大きく会社は拡大していき、従業員数も30倍にもなるほどになっていた。

経済的に余裕ができたMさんは二人の娘さんを塾にも通わせることができ、無事大学卒業までさせることができた。また、大学を卒業した後は子どもたちはそれぞれの道を進み就職し、結婚し、子ども授かった。

「娘たちが私の会社を継ぐ選択をしてくれなかったのは少し淋しいてすが、それぞれが自分のやりたい道を進んでくれるのが一番です。私も子育てを母親に任せて好き勝手にやってきましたからね」と少しはにかむように語るMさん。

「ただ、こんな親でも最後まで親としての責任は果たさないと」と強い意志もみせるMさんであった。

最愛の娘たちのためにできることを考え終活へ

事業家として成功したMさん。実はそんなMさんにも悩みがあった。その悩みは「相続」についてである。

「つい先日も知り合いが相続トラブルになったという話を聞いたんです。まだまだ先の話しだから自分の家族は大丈夫だと油断しているととんでもないことになると専門家の人からも聞きました。」

Mさんは会社の経営からは一歩退き現在は会長という名目で会社を見守っている。複数の会社はそれぞれMさんの右腕となって一緒に働いてきた人間に任せているため心配はしていないとのこと。しかし一方ではMさんが築きあげてきた資産を二人の娘たちに無事に渡してあげたいという願いがある。

「一番の問題は今住んでいる自宅なんです。神戸市内の400坪を越える自宅をどのようなカタチで二人の娘に渡すのが最善の方法なのかをいつも考えているんです」とはなすMさんの表情が少し強ばったように見えた。そして年齢的にも終活した方がよいと判断したMさん。とにかく相続トラブルだけは親として避けたいと何度も話していた。

数ヶ月後、Mさんから連絡があった。どうやら何かを決断した様子だった。

「娘たちには終活なんて縁起でもない話はしないで!と叱られましたが親としてはやっぱり子どもたちに迷惑をかけたくたいからね」と語るMさんはリースバックの活用を決めたという。

これまでと同じように元気で人生を送り続けるために

現金化したものは全て2人の娘に渡してしまいました。暫くはこの家に住み続けますが、その時期がきたら施設にに入ろうと計画しています。

普通に自宅を売却しても良かったのだが、新しい家を探したり引越しが面倒だったと話すMさん。リースバックなら売却した家に住み続けられて自分のタイミングで出て行けるのでMさんにとっては都合が良かったらしい。

一般的に生前贈与は相続とくらべると税金面で劣る場合があると言われているが、リースバックを活用する際に今後の税金面でもリースバック会社が相談に乗ってくれたため、どうやらMさんにとってはリースバックは最善の方法だったらしい。

「娘たちがまだ小さいころは親らしいことなんてあまりしてあげられなかったけど、最後にやっとなにかしてあげられたようで嬉しい」とMさんは笑顔で話してくれた。

終活したからといってまだ人生が終わったわけではない。まだまだやりたいことをやり続けるよ!と年齢を考えさせないパワフルな言葉を最後に残したMさん。

彼女の華やかな人生はまだまだ続くに違いないと確信するのであった。