稼ぎ続けてくれる物件を見極める5つの方法

不動産投資初心者、未経験者は必ず読んで欲しい大切なこと
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稼ぎ続けてくれる物件を見極める5つの着眼点

これから不動産投資を始めることをご検討中の方の多くは、不動産からの賃料収入という副収入に最も重きを置いていらっしゃるのではないでしょうか。そのためには物件に絶えず賃借人を付け続け、毎月賃料収入を稼いでもらう必要があります。そこで、本章では安定的な賃料収入を得られる物件を見極めるための5つの着眼点を解説致します。

着眼点1:物件所在エリア(広義の立地)

まず大きな視点として、どのエリアに物件を購入するかということが重要です。そして、絶えず賃借人を付け続けるという至上命題から判断すると、広義のエリアはやはり三大都市圏(東京・名古屋・大阪およびこれらの周辺地域)に絞るのが無難であると私は考えます。なぜなら、不動産投資における賃料収入は賃借人に借りていただいてはじめて生まれるものであるためです。利回りの高さや価格の安さから、地方の築古木造アパートや戸建に魅力を感じるのも多いに分かります。

しかし、長期保有を前提とする個人の不動産投資において、これらの物件は長期的な目線で判断するとあまり合理的とはいえません。なぜなら、今後の入居付けが困難になっていく一方であることが明白であるためです。ご存知の通り、日本ではこれから人口減少が進むことは確実視されているため、その中においても相対的に人口が多いエリア、かつ人口が減りにくいエリアを選ぶべきです。その観点からすると、日本では三大都市圏が最も中長期的に安定した賃貸経営ができるといえます。広義のエリアを決めたら、そこから徐々に範囲を絞って購入する物件の場所を選んでいきましょう。

着眼点2:最寄り駅の“駅力“(狭義の立地)

購入する物件の広義のエリアが定まったら、次はどの路線および駅に物件を購入するかを決定していきましょう。そして、その際に最も重要視すべきなのは、賃貸需要が旺盛なエリアかという点です。具体的には、交通利便性と生活利便性の2つの観点から複合的に判断します。

まず、交通利便性についてです。交通利便性を判断する際は、当該駅から主要ターミナル駅(新宿駅や梅田駅、名古屋駅など)までのアクセスや当該駅が急行および特急等の停車駅か、当該駅の乗降客数が多いかといった点を加味します。なぜなら、特に単身者の場合に顕著ですが、賃貸物件を探す際はまず主要ターミナル駅まで乗り換えなしでアクセスできるか否かという基準で路線が絞られ、その路線の中で同駅までのアクセス時間という基準で駅が絞られることが多いためです。加えて、各駅停車しか停まらない駅よりは急行や特急等の停車駅の方が、賃貸需要が旺盛です。そして、自分が目星を付けた駅に賃貸需要が多いことを裏付ける証拠として、当該駅の乗降客数が周辺の駅と比べて相対的に多いかを確認しましょう。

例えば、東京のJR中央線においては、新宿駅の隣にあり各駅停車しか停まらない大久保駅よりも、特快が停車する立川駅や国分寺駅の方が新宿駅から遥かに遠いにも関わらず乗降客数が多い(1日の乗降客数は大久保駅が約5万人に対し、立川駅は約32万人という大差)のが事実[吉田1]です。したがって、交通利便性の観点からは、主要ターミナル駅まで急行や特急等で容易にアクセスでき、周辺の駅よりも乗降客数が相対的に多い駅を選ぶべきであるといえます。

次に生活利便性についてです。生活利便性を判断する際は、その駅周辺の生活インフラの充実度を基準とします。なぜなら、大都市圏においては特に生活をするうえで電車を利用することが多いため、必然的に駅で買い物や飲食をする機会も多くなるためです。例えば、駅ビルの有無および同ビルのテナント、駅前商店街の有無および店舗のバラエティの充実度、駐輪場および駐車場といった施設の充実度は確認すべき項目です。より具体的に言及すると、駅ビルや駅前商店街には大型スーパーや家電量販店、衣料品、飲食店といった生活に関わる需要を満たしてくれるテナントがバリエーション豊富に入っていることが重要です。加えて、駅まで自転車や車を利用する場合のことも想定して駐輪場および駐車場の有無も要確認項目です。なお、この項目は駅からやや遠い物件やファミリー向けの物件に投資をする場合に非常に重要な観点です。したがって、生活利便性の観点からは、当該駅でどれだけ生活必需品や飲食といった日常生活のニーズを満たすことができ、自転車や車での駅利用にも対応している駅を選ぶべきであるといえます。

着眼点3:物件の周辺環境(最狭義の立地)

購入する駅まで具体的に見えてきたら、その駅周辺で実際に物件を探してみることをお勧めします。その際に確認すべきなのは、駅からの動線、生活インフラの充実度、嫌悪施設の有無という3点です。そして、これらの点は実際に現地に行ってご自身の五感で測ってみることが大切です。そこに住む人の立場になって、長期間住みたいエリアかという判断をしましょう。

まず、駅からの動線についてです。具体的には、物件から駅までの徒歩分数、坂や待ち時間の長い信号がないか、街灯があって夜でも安心して歩けるかといった点です。多くの場合、入居者は毎日のように通勤や通学で物件から駅までを往復することになります。したがって、その道中に坂や階段があったり、長く待たなければいけない信号が多くあったり、街灯がなく夜は不安で歩けなかったりするといった状況であれば、長期間住みたいとは思われない可能性が高くなってしまいます。

次に、生活インフラの充実度についてです。物件周辺にあるコンビニやスーパーおよび医療施設の有無、飲食店の豊富さといった点です。着眼点2で述べた生活利便性と同様の観点から、生活インフラの充実度を測ります。そして特に重要なのは、より日常生活に必要な生活インフラが整っているかという点です。なぜなら、ちょっとした日用品や食料の買い物ができる店舗や医療施設が駅前まで行かずとも住居の近くにあれば、実際の入居者にも快適に長く暮らしていただける可能性が上がるためです。

最後に、嫌悪施設の有無についてです。まず、嫌悪施設とは、飲み屋街、風俗街、葬儀場、パチンコ店、競馬場、宗教施設、反社会的勢力の事務所、工業団地などです。加えて、物件の目の前にある幹線道路や線路も嫌悪施設といえます。これは騒音や振動、ガスといった問題が物件を直撃し得るためです。これらに関しては他の要素ではカバーできない根本的な問題です。したがって、嫌悪施設が周辺にあるというだけで入居付けが格段に難しくなってしまいます。最悪の場合、賃料を下げざるを得なくなり、その結果として不良入居者が住みついてしまうという二次災害にも発展しかねます。したがって、嫌悪施設の有無は必ず確認するようにしましょう。

着眼点4:物件スペック(間取り・設備・外観)

各エリアにはそれぞれどのような層が最も多く住んでいるか、すなわちどのような層からのニーズが最も高いかという相場が存在します。したがって、そのエリアに住む層に最も求められる間取りおよび物件設備、そのエリアに住む層に対して最も良い第一印象を与える外観を持った物件を探しましょう。

まず、間取りについてです。間取りについては、まず当該エリアが単身者のニーズが多いのか、ファミリー向けのニーズが多いのかを見極めましょう。この点を見極めるためには実際に駅周辺にいる人を観察したり、自治体が出している国勢調査等のデータを参照したりして、どのような層が多く住んでいるエリアなのかを判断するといいでしょう。単身者のニーズの方が多いエリアなのであれば、1R・1K・1LDK、ファミリーのニーズが多いエリアなのであれば2LDK以上の間取りの物件が投資物件の間取りとして適しているといえます。

次に、設備についてです。設備も単身者とファミリーでニーズが異なるため、当該物件のターゲットとなる層のニーズに合った設備が付帯されているかを確認しましょう。例えば、単身者においては浴室乾燥機や防犯カメラ、モニター付きインターホンが特に人気です。一方、ファミリーにおいては追い焚きや床暖房、24時間利用可能ゴミ置き場が特に人気です。また、無料インターネットやエントランスのオートロック、宅配ボックスは単身者、ファミリー問わず人気の設備として挙げられています。賃貸物件における人気の設備ランキングは毎年発表されており、その時のトレンドを知る重要な指標です。是非チェックしてみてください。

最後に、外観についてです。外観はその物件の第一印象で、非常に重要な要素といえます。そして、外観も単身者とファミリーで人気のものがそれぞれあるのです。例えば、単身者においてはデザイナーズマンションのようなスタイリッシュな外観やコンクリート打ちっぱなしのクールな外観が人気です。一方、ファミリーにおいては水や植物があり自然を感じられる外観や建物の色にアースカラー(茶色や白)を用いた落ち着きのある外観が人気です。第一印象でメインターゲットとなる内見客に住みたいと感じてもらえる外観の物件を選ぶことも重要な要素といえます。

着眼点5:築年数

築年数は新しいに越したことはありませんが、古い物件は入居付けに苦戦するかというとそうではありません。築年数が古くても、適切にメンテナンスが行き届いており、良質な住環境を提供できるのであれば問題はありません。特に上述の1から4の着眼点での重要なポイントをしっかりと押さえていれば、築年数の古い物件も賃借人を付け続け、稼ぎ続けてくれます。実際に私が所有している物件は全て築20年以上経過していますが、立地や外観、設備等を厳選したため、購入して以来3年間一度も空室になっていません。すなわち、築年数が古くてもしっかり稼ぎ続けてくれているということです。

しかし、1点だけ留意すべき点があります。それは、新耐震基準の物件に投資すべきであるという点です。耐震基準とは、建物等の構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、建築を許可する基準のことです。すなわち、その物件が地震発生時にどれだけの揺れに耐えられるかを表しています。そして、1981年(昭和56年)6月以降に建てられた物件は新耐震基準、それより前は旧耐震基準となります。新耐震基準の物件は震度7の揺れに耐えられるのに対し、旧耐震基準の物件は震度5強までしか耐えられません。日本は地震が多いので、この基準は押さえておきましょう。

但し、新築物件はほぼ例外なくお勧めできません。理由は、価格も賃料も購入後の下落が激しすぎるためです。まず取得時に売主の利益がたっぷり乗せられた価格で買わされるうえ、中古物件になると価格がジェットコースターのように急落します。

賃料においても、新築時は新築プレミアム賃料で貸し出すことができますが、一度退去が出た後はその他の築浅物件と同列になるため、同じ賃料で貸し出すことは難しいでしょう。いずれにせよ、新築物件への投資を成功させるのは至難の業ですので新築物件には手を出さない方が安全と言えます。

以上のように、まずは賃貸需要が旺盛なエリアに絞り、その中で交通利便性と生活利便性の良い駅およびエリアを絞ることが重要です。そして、どのような層がその物件を借りてくれそうかという視点を常に持ち、ターゲットをイメージしましょう。そこから逆算して、そのエリアにおいて投資すべき物件の間取りや必要な設備、人気の外観を兼ね備えた物件を選びます。築年数については新耐震基準(1981年6月以降)の物件であれば、古くても問題なく稼働させ続けることが十分に可能です。

まとめ

・稼ぎ続けてくれる物件を見極める着眼点は、物件所在エリア(広義の立地)、最寄り駅の“駅力“(狭義の立地)、物件の周辺環境(最狭義の立地)、物件スペック(間取り・設備・外観)、築年数の5つ。
・まずは賃貸需要が旺盛かという観点でエリアを広域から徐々に絞っていき、購入物件の対象を絞りこむ。
・物件スペックは、メインターゲットに対して訴求できるか否かを見極める。
・築年数は古くても問題ないが、新耐震基準(1981年6月以降)の物件を選ぶべき。

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